気長にのんびりマイペースに。
半完混合/透過/書き手は複数/交流可
日常・雑話・惚気・裏表現・くだらない話が主。
背後から728クンが覗いてます。
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昨日は試合が長引いたりオーダーの変更があったりでバタバタしてた。部長に次の試合の指示を受けて移動しようとしたんだが、…背負った鞄が軽くて。
……あ、…。
思わず声が出てしまった。気付いた時にはコートは片付けられて別の選手が来ていて、もうどうしようもなかった。とりあえず試合終わった連絡を部長にして、次のコートに移る報告と、ついでに鞄が軽いって話もした。
「今試合終わりました。…で、あの、すいません…」
「負けたか?」
「いや、…あの、新人並の凡ミスしました。…ラケット前のコートに忘れて引き上げて行きました。」
「あー…」
笑うしかなくて、部長も苦笑いだった。
後ろで先輩の声聞こえて、電話切ったら絶対言われてる奴だなぁ、と開き直って笑い続けてた。
「すいません」
「その内手元に戻って来るだろ」
「寂しがってないといいですが」
「…甘えさせてやれ」
「わかりました。存分に。」
優しい部長と冗談を交わしながら電話を切った。普通忘れるか?ラケット。今まで一度も置き忘れた事なんかないのに、昨日は凡ミス…。いつも買う本の占いに、今日の日付で書いてあったのは遅刻したり忘れ物が多いから気をつけろ、ボーッとする時間も大切だけど長くならないように、だと。…1日ズレて当たるとかあるのか?
部室に戻って報告してたら、やっぱり先輩に弄られるし、あー…。
「日吉ー、あったのかー?」
「ありました、すいません」
「何が?」
「ラケット、ベンチに置き忘れたんですよ、初めて忘れた」
先輩がもういいだろってくらいには笑ってるしスゲェ弄られる。本当なんで忘れたかな…頭の中が次の試合!って慌ててたんだな。鈴でもつけて対策するか?優しくフォローしてくれる先輩達で恵まれてるわ、俺。
ラケットは、次の試合会場に運んでくれたらしくて凄い良い人だった、次会ったら御礼言おう。
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先輩達と飯に行った。ドリンクバー頼んで、無難に烏龍茶をコップに入れたんだ、飲んで食って色んな話して、三年しか知らない話とか色々聞いたり愚痴ったり。
で、途中で気付いたんだけど、凄い後味がフルーティーで、口に広がるんだわ、香りが。忍足さんに言われて。
「それ、烏龍茶やんな」
「あ、はい、向こうに。なんか…フルーティーな感じします、オシャレでした」
変わった烏龍茶だなって思ったけど、気にせずに飲んで、おかわりしようと同じ注ぎ口にコップ添えてドリンクの名前見て驚いた。
#トロピカルティー
って書いてあって。一瞬固まってしまった。
……烏龍茶だと思って飲んでたの、まさかの紅茶だった。コップに烏龍茶ついで飲んだら俺の知ってる味だった、いや、マジで…驚いた。烏龍茶とトロピカルティーってヤツが並んで置かれてて、俺は両方とも烏龍茶だと思って注いでたらしい。
「…烏龍茶だと思って飲んでたの、トロピカルティーでした」
「うわぁ、それは…」
「フルーティーな味するとか言ってたもんな」
…いや、もう…何ボケてんだ、俺。また笑われた、あー…。何で気付かなかったんだろうな。って言うのがこの間、先輩達と飯に行った時の話。…恥ずかしい。
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彼奴が部員と飯に行くって言うから快く見送って。彼奴の学校の飯会って賑やかそうだよな、確か賑やかな人が多かった様な…まぁ、お国柄派手っつーか。ああいう時は楽しそうに笑ってんのかなぁとか色々考えてたら、帰って来た。聞いて良いのか悪いのか、こう言う時は恋人でも気を使う。まぁ、楽しいのは当たり前か、部活のメンバーだろうからと思って少し聞いたら彼奴は飯会でも彼奴の儘だった。
そんな急に変わったりしないよなぁと納得しつつ、お互いに自分の事をしてマイペースな俺等。彼奴が風呂に入れば最近買って来た本を読むし、色々準備したり携帯触っていたり、適当な時間になればベッドに入る。二人で寝転んで一日の話をしたり聞いたり、偶に調べ物したり、色々。
少しだけ飯会の話を聞いて、自分の学校の飯会と比較する。もしかしたらウチの方が賑やかかも知れない。賑やかな事は嫌いじゃないけど、普段話さない後輩とかいるから隣に座ると話せない、緊張して。
面白い話も浮かばないし、どうしたらいいか解らない。ポツンと一人になる事もあるし、黙って話を聞いてる時も笑ってる時もある。いつも話の中心になるあの人が凄いなぁと感心する。
苦手な飯会とそうじゃない時の飯会はやっぱりメンバーなんだろうなと思う。結局のところ俺はいつものレギュラーと飯会してる時が一番楽しい。
誰かが賑やかに話してるのを聞いて、偶に振られる会話に混ざって笑ってる、それくらいが十分。
そんな事を考えていたら、寝る準備万端の彼奴が隣に寝転がって来て。二人でうつ伏せになって今日一日の話をする。彼奴が開いた携帯の画面を覗き込みながら頷いて笑って懐かしい気分になったり、次の休みは何をしようか、なんて恋人らしい予定を立ててみたり。暫くしたら瞼を擦って枕に擦り寄る仕草に気付いて部屋の電気を消す。枕の代わりにと伸ばした腕に乗せられる慣れた重みを感じながら抱き寄せる。
肩まで被せた布団の温もりと、伝わって来る優しい体温に釣られて俺まで瞼が重くなる。明日の予定を聞いたりくだらない冗談をぽつりぽつりと口にして笑い声を響かせていると思ったら、いつの間にか寝息に変わってる。そんな姿を見て俺もいつの間にか眠ってる、そんな毎日。
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最近胃が荒れているのかいないのか解らないが口内炎が出来たり乾燥のせいか、切れたりして痛い。少し調べて効果のありそうな塗り薬を探したんだが、薬局になくて近いものを買って塗っている。
部室でぼやいたら、リップクリームくらい塗れと言われ、男がか?と不思議に思う。ああいうのは女の為に用意されたもんじゃないのか、俺にはよくわからない。
部屋で寛いでいる時に何となく呟いてみた。呟きに反応した彼奴は手元の携帯電話を置いて俺の顔を眺めてくる。眉を下げて心配してくれているのか、過保護な彼奴が開いた唇から出て来た言葉に暫く考えた。
「舐めたらアカンらしいで」
…唇舐める事なんか滅多にないんだが、自分の行動を振り返る。
「舐めて来るのお前だろ」
御前しかいねぇよ、他人の唇舐めてくる様な悪趣味な奴。思わず出た言葉に何とも言えない顔をしていた。反射的に止まった指先に目線落として暫く眺めながらまた別の事を考えた。
暫くやめろと言ったら彼奴はどうするんだろう、渋々やめるのか、文句を言うのか、…足の湿疹の時の様に薬を塗ってやると悪戯に笑って近寄ってくるのか。…一番最後の奴な気もするが、まぁ、放って置こう。
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足に謎の湿疹が出来て痒かったり痛かったり…。
家にあった塗り薬を試してみたが効果がなくて、痒いって話したら母さんが薬を買って来てくれたんだが、これも変化がなくて。
あまり病院には行きたくないんだが、今回は対処が解らないから病院で相談してきた。先生に原因不明の湿疹と言われ、そう言うのは皮膚科では多いと薬だけ貰った。学校で言えるはずもなく、…ユニフォーム着る事なくてよかった、流石に恥ずかしい。
独り言の様に痒い痒いってボヤいてたら、流石に彼奴も気が付いて、汚ぇ足捲って見せたら代わりに薬塗られた。足伸ばせって言うから素直に従って黙って見てたら献身的に塗ってくれる。
最近じゃ俺が手に取るよりも早くて何だったら薬握って待ち構えてる、ソファに座って背凭れに膝枕突いて足元眺めてたら変な気分起こしそうになってクッション抱いて顔を埋めて気分紛らわせてみたり。
少し薬が効いたのか、彼奴のお陰か、落ち着いて来た。傷痕みたいに残ってるのはもう少し塗ったら元に戻るのか。
毎年乾燥すると痒みがあるんだが、…背中は自分では塗れないから頼んでみたら彼奴が喜んでやってくれそうだ、今年の冬は背中の乾燥痒みに耐えれそうな気もする。随分甘やかされて毎日を過ごしてる。自分で何でもやるのが性に合うんだけどな、去年の自分と比べたら変わり過ぎてて引いている。
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俺は甘えたりするのが余り得意じゃない。甘えるって俺にとったら、抱き締めるとか撫でるとか、愛でる類のモンじゃない。する事は慣れているがされるとなると簡単な事じゃない、少し勇気がいるし、臆病にもなる。そんな大事かって思うかもしれないが俺からしたら、それくらいの事、だって寄り掛かる事が俺にとっては甘える事だからそんな簡単な事じゃなくて、気を許しているから出来る事なんだ。
寄り掛かりたい相手は唯一の奴で、其奴以外に弱味も、気を許すなんて事も絶対に出来ない。付き合い出した頃は彼奴にも弱味なんて見せたくはない、それくらい気を張って今まで生きて来たんだ。
それでも最近は彼奴には、と疲れた時や抱かれた後は寄り掛かる様になった、自分自身を遠目に見たら凄く情け無い姿してんだなって思ったりするけど、肩を貸してくれる相手が傍にいる事はとても幸せな事なんだと考える様にはなった。
寄り掛かれば安心もするし、…安心しているって事は素直になれる筈で、多少の不安を吐露してしまう。不安を口にするのは相手を信用しているからで、心につっかえている事を聞いて欲しいと思うから。温もりと安心する言葉を紡いで欲しくなる。
大丈夫だから、と一言で良い、安心させて欲しい。
でも腕の中にいる恋人が不安を口にし始めたら、良い気分にはならないだろう、相手にとったら、恋人との戯れた後の甘い時間なんだから。
急に恋人が不安を言えば相手自身だって不安になる、今話す事じゃないと思うだろうし、気分も落ちてしまう。じゃあ、いつ話すんだ、不安に思う事を聞いて欲しいとやっと口に出来るのは俺にはこの時間しかないんだ、と思っているから。
相手からしたらたまったモンじゃないってのは、よく考えて相手の立場になれば解ってた筈なのに自分の接し方の違いでズレが生じる。冷静な時には寄り掛かる事も不安を口にする事も俺には出来ない。本当に面倒な男だと常々思っている。
相手が懲りずに傍にいてくれる事に感謝して、もう少し自分の接し方を考えないといい加減愛想尽かされてしまう。
…俺には彼奴しかいないんだから。
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薄暗い部屋の中で肩を並べて横になる。俯せになったり、肘枕を突いたり、時々座り直して他愛のない会話を繰り返す。時々笑って頷いて寝室に響く二人の会話と笑い声。
彼奴の携帯電話を覗き込んで、趣味だと言う音楽の話を聞いてみたり、欲しいと願望を口にする物を見て理由を聞いて頷いたり。俺にはなかった趣味を彼奴は持っていて、深く聞いたら笑って喜んでいる。
話を聞くのが好きで俺が相槌ばかりを打つからつまらなくないかと偶に気に掛かるが、構わず話してくれるのは関西人独特の会話が上手いからなのか、彼奴の性格からなのか。
眠いと口にする彼奴。手元の携帯電話をテーブルに置いて俺に擦り寄って来る。重くなった瞼を擦ってぽつりぽつりと口にする、頷いて笑って寝かしつける、毎日の様に繰り返す戯れを幸せだと思う。会話を続けていても彼奴の眠気はいつも急に来る。その時が来たら腕に抱いて背中を緩く撫でながら甘い言葉を口にして、すると寝息を立て始める彼奴がいる。
一緒に寝る事がほとんどだが、稀に眠れなかったりすると一人で部屋で本を読む。買った本が溜まって枕元に山積みしてある、…地震が来たら本に埋まる、片付けよう、本当に。
不思議なのは最近彼奴が眠くなる時間に俺まで眠くなる時がある。俺は彼奴より少し寝るのが遅くて、いつも本を読んだり日記を手にしたり時間を潰してた。でも最近は彼奴に合わせて寝れたり、眠気が来たり健康的ではある。健康的なんだが、こんなにも変わるモンなのか?
彼奴は何か変わったんだろうか。いい影響を与えているなら嬉しいとは思うが、試合に影響して向こうの部長サンから指摘されるのは御免だ。
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彼奴と過ごす時間は贅沢で、何にも変えられない貴重なモノだと理解している。お互いに部活を任される立場になってきて、合間の時間を互いの為に共有し合う。相手を想うなら出来るだろ、と言い放ちたくなるが、そうもいかない時もある。
彼奴は彼奴で部活を任されている事もあるし、帰りが遅くなる日も、疲労で眠た気にしてる日もある。
俺も俺で、朝練が続いて試合が長引けば休憩もなくなるし、彼奴が待っている部屋に帰るのは彼奴が寝てからの日が多いし、会話をするのも毎日は難しいのが現状だったり。
そんな中でも今こうやって、目の前に彼奴がいる。俺の話を聞いて笑って頷いてくれている、上手く話せずにいた俺の話をどんな事でも冷やかさずに。くだらない話を永遠に繰り返して頷いて、首を傾げれば直ぐに調べてくれる、解決してまた笑って過ごすんだ、すれ違っていた事なんて忘れて。でもこれは当たり前の時間じゃなくて、二人で作り上げた幸せな事なんだと実感している。
この当たり前の環境を作り上げるのは簡単な事じゃない、俺はこの言葉を大切にしていて、何に対してもそう思っている。当たり前を作り上げるのは努力が必要なんだ、協力と支えがなかったら難しいと思うから。彼奴との事だったり、テニスだったり、友人でも、全てにおいて。大袈裟だと笑われるかもしれないが、俺はそれくらい大切にしている。
だから、俺は少しでも時間を共有してくれる彼奴に感謝をしている。傍で話を聞いてくれるのは当たり前じゃないから。気持ちだけで何とかなるモノじゃないから、感謝しながら彼奴の傍にいる。
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「部長に男の子だと誰と遊ぶんですかって聞いたら、日吉って言ってた」
「…男の子」
「日吉の名前が出て俺も宍戸さんも納得した」
「まぁ、安牌だろうな」
此奴等何の話してたんだって思った。質問の通りで誰と会うか聞いたら俺らしい。かと言ってそんなに頻繁に会ってる訳でもなく、つか部活で会うし。
部室で話してたら来月の定期試験の話題になり、部長がやって来て、試験の事をしたら日程が同じらしい俺と。
「終わったらメシ行くか?彼奴等もいる」
「行きます、大丈夫です。」
「え、もうここで約束するの」
秒で決まる予定。でも偶に決まってもなくなる時もある、なくなる時のが多い気もするが。またテストが始まる、で、毎年勉強しなくて当日に後悔をする。後悔をして来年の試験はちゃんとやりたい、って決めて同じ事を繰り返す。いや、今年はやろう、やろうっつーか、…やるんだ、俺。あー…。
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彼奴とは色々すれ違うことがある。
もう何度すれ違って部屋を飛び出して、帰る場所を失ったか解らない。部屋の鍵を変えられて閉め出された事もある、…笑えないけど、笑うしかない。
最初の頃はもう次はない、って自分に言い聞かせて彼奴と気持ちを確かめ合って頷いてもう一度部屋の扉を開けて帰宅する。
離れたくないと伸ばされる腕を受け入れて、広い背中を何度も撫でて心音に合わせて緩く叩いて落ち着かせる。
甘い言葉を繰り返して心底満たされているのに、時間が経つとちょっとした事ですれ違って背中合わせ。感情が昂って心ない言葉で言い合う、俺達はいつになったら大人になれるのか、いつまでガキなのか、こうなる度に深く息を吐く。
彼奴との約束事は、喧嘩してもその日のうちに手を取り合う、決めた筈だ。二、三日経てば元通り、それだけはやれているんじゃないかと自分をフォローするけど、すれ違う事をやめればいい。
まだまだガキで厄介な性格をしている俺だが、彼奴は今日も隣にいてくれる。こんな俺といて楽しいのか、偶に聞くと笑って頷く彼奴の仕草に甘えて俺も彼奴と肩を並べる。
二人で布団に入って向かい合い薄暗い照明の中で彼奴の表情を確かめる。整った顔立ちと、寝室に響く優しい声。手を伸ばして頬を撫でたら擦り寄って来て、甘えてくれているのが直に伝わる。
お互いに眠くなるまでぽつりぽつりと会話して、どちらからとも無く触れ合って存在を確かめる。
確かに彼奴は目の前にいて、俺にだけ甘い言葉を紡いでくれる。全ての言葉が心地良くて、自然と緩む頬が元に戻らなくなるくらいには甘い時間を過ごしてる。
こんなに大切に思っているのに、時にすれ違って別の部屋で寝たり背中合わせになっていたり。
このすれ違いを無くすのも、解決出来るのも、修復するのも、俺等にしか出来ないんだ。
つまらなくなっていた日常に明るい笑いを添えてくれるのは彼奴しかいないんだ、繋いだ手を離さない様にすれ違っても懲りもせずに向かい合って眠りたい。朝起きたら気怠そうにおはようって瞼を擦る彼奴を眺めていたいんだ。
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俺の話は彼奴には面白いんだろうか、くだらない事ばかりで役に立つ事はないんじゃないか、と偶に思う。それでも彼奴は頷いて俺の話を聞いてくれる。
彼奴は偶に忘れっぽくて前も話しただろって事がある。最初の頃は同じ話や説明を何回か繰り返して正直気に障る事もあって、言い合いになってしまったり、彼奴の事を理解するには時間がかかる事もあって色々勉強にはなった。
最近は前に話題にした事であっても、問題の解き方を説明したり色々伝えたり、苦にはならない。
忘れっぽいのも、朝に弱くて気怠そうにしているのも個性だと目線を変えて彼奴を眺めてる。
彼奴も俺って面倒な人間の相手をしてくれている。それに俺が話した好きな事は覚えていてこの間の様に学校帰りに土産を買って来てくれる。テニスバッグに付けたあれは結構目立つ様で大人数で纏めて鞄を置く時はすぐに解って良い。
俺ばかりが話題を作って話し込んで彼奴の話を聞いてはいるんだろうか?悩みや愚痴だったり、興味のある事を聞けているんだろうか、そんな事をふとここ数日間で考えた。何でも話して欲しいと言われて、それに甘えてばかりの俺は俺の話ばかりをしていて彼奴の事を聞いてないんじゃないか、と思った。
言い難い事もあるだろうし、きっかけが無ければ話題にはならない。言い出し難い事は彼奴から話してこないだろうから追う事はしない、面倒なんじゃなくて…いつか彼奴から口を開いてくれた時に頷いて聞けたら良いと思うから。
唯俺ばかりが話し込んでしまったら、彼奴は聞き手に回るばかりで言うタイミングなんてないだろうと少し反省する日々で。
彼奴の話を聞いてない事はないんだが、少し会話のやり取りを変えてみようかと自分なりに思う。どんな風にどうやって、なんてのは具体的に浮かばないんだが…彼奴との付き合いは長くなりそうだから、ゆっくり時間を掛けて毎日時間が許す中で、彼奴の話したい事を引き出していこうと思う。
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彼奴は俺の好きな物をよく覚えてる。
日記に書いた話でもそうだし、部屋で話してる時やお互いに自分の時間を過ごしてる何気ない時間で使ってる持ち物とか、食べてる物とか知らず知らずのうちに見てるみたいで、覚えてる。
この間もそうだ、俺が余りにも野良猫の事を日記に書き過ぎたからか、彼奴は何を思ったのか土産にと猫の刺繍が施されたキーホルダーを買って来てくれた。よく覚えてんな、と感心する。
彼奴から貰う物は直ぐに食べたり、暫くしたら使おうと置いていたりする。あまり派手なのは俺には不釣り合いで、どうかと思ってて悩ましい。少し大きくて目立つ、彼奴の好きなマーキングなんだろうと思う、目立つ物を傍に置かせて誰から貰ったのかを理解させる術。後は落とした時が嫌で、こう言う類のものは鞄に付けるのが少し困ったりする。
彼奴からしたらどうなんだろうか。せっかく買って来たんだから付けろ、と言うのか、お前の好きにしろ、と言うのか。本人に確かめるのも一つなんだが、彼奴は俺がどうするのかを待っているんだと思う。
しまうならそれで、着けるならそうしろ、無くしたならまた新しい思い出を、だと思う。無くしたら落ち込むだろう俺の髪を撫でながら、また買って来るからと口にする彼奴が浮かんで仕方ない。
俺はもし無くしたら彼奴に言い出せるだろうか、…逆に彼奴が落ち込んだらどうしようかと考えて口に出来そうにもないと想像してみたが、恐らく俺が落ち込んでると思って宥めるんだろうな、と落とした時のイメージは浮かんでる。
結局テニス鞄に着けることにした。それが一番目立って、彼奴が満足する方法なんだと思う。
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何が欲しいか問われても、上手く言葉に出来ない。
好きな物を与えて貰える環境にあっても、アレが良いと言えない。ガキの頃からそうだ、人に上手く言葉を伝えられない。言ったら相手がどう思うのか考えてしまって、怖くて口に出来ない。
兄貴は俺と違って対照的に何でも口にする、好きな事も嫌な事も、我儘も全部。欲しい物は手に入れて俺は言えない、周りを気にして嫌がられたくない。それなら俺は欲しい物があれば、自分で手に入れて周りに迷惑をかけない様に静かにしてる。周りに気付かれない様にそっと、大事に仕舞い込む。
今になってもそうだ、環境が変わって素直に伝えられる状況であっても本音は言えずに開いた口を閉じてしまう。言いたい事を言えと言われて口にする環境であっても、気を許せなかったら静観する。
立場が変わったら受け入れる事は簡単で甘えられる事も嫌な事も全部頷いて気が引ける事もないから俺には合っていると感じてここまで来た。
唯彼奴と出会って受け入れる事は簡単でも、受け入れて貰える事はやはり難しいんだと痛い程に感じている。言葉を上手く紡げないから、何かあっても、素直に伝えられずに拗れて彼奴を突き放す。気付いて欲しいと思っても、口に出来ないから乱暴な言葉を吐き捨てて泣かしてしまう。もうそうなると俺が悪いと考えるから、とまた口を閉ざしてしまう。
気付いて欲しいなんて、言ってもないのに解る訳もなくて、我儘過ぎる性格を治したい。治したいけど、もうどうしたらいいか解らないし、自分ではどうしようもない。どうしようもない性格を治す方法があるなら知りたい、誰でも良いから教えて欲しい。
結局自分で治すしか見つからないだろうから、治しようなんてなくて、絶対また壁にぶつかって彼奴に当たるしかなくなってしまう。もうどうしたらいいか解らない事が苦しい。
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日記の整理をしてみた。なんで今かって?
急にやりたくなる時がある、何でも。
気分紛らわせたい時とか、色々と。
日付であったり季節的なものであったり、その時の気持ちを記していたから、全部を纏めて追い遣ると想い出がズレてしまって、あんまり良いものではないな、と考え込んで、ちょっと寂しく感じたので元に戻したり。
重たい日記帳を胸に抱いて机の上で広げて見る。
1枚目から順番に、…確かに一から始まる一冊だったが、…記憶から消してしまおうと最初の頃の頁は破ってしまって、破いた断片を指でなぞって深く息を吐く、…元には戻らない、そう言い聞かせて一人で納得するしかない。確かにあった頁の断片に今は少し後悔をしてる。
唯破いた頁に何が記してあったのか、記憶にない。記憶がないと言う事は所詮それまでの文字の羅列。でも、なんで破いてしまったのか、そこだけは記憶に残っている。深く記憶に残っていて、破った理由も後悔をしている。
まだ数ヶ月の日記だけど色々書いたから思い出してしまうし、整理した頁に薄ら残っている筆圧痕を指で撫でてみたら少し寂しかったり、懐かしかったり、色んな事や余分な事は消しゴムで消して、必要とされる文字だけ残して。…後悔はない…のか、うーん、ない事はないな、この日記に記した事や書き手は全部が俺だから。
後悔ばかりしている俺。他に自慢出来る話を書き足せないか新しい頁を捲りながら考える。自分を前面に押し出す話を書くには時間がかかる、反省や後悔の文章ならスラスラ書けるのはいい事なのかは別として。
また新たな文字を記して行こうと思う。大事な一冊をもう破かなくて済む様に一枚一枚気持ちを込めて、綴りたい。
別れたのかと思われそうな文面になった。…まだ隣に居てくれてます、辛うじて。
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この間、時間が出来たからフラフラと一人で遊んでた。何となく、一人になりたかったから。偶には俺だってゲーセンくらい行く、と財布片手に賑やかな場所に行ってきた、…ちょっと悪い事してる気分だった。
彼奴が学校の先輩と出掛けたらしいけど、取れなかったって悔しがって話してたモノをちょうど見つけてとりあえず試しにやってみた。背中のテニスバックが邪魔だったけど、仕方ない。
何回か挑戦してたら、ふと相性が良さそうな事に気付いた。ああいう時は無心の方が取れるかどうか見極められるもんなんだな。手許の小銭を適当に何枚か入れて遊んでた。
「……あ」
上手く掴めたらしく数回挑戦して取れた。腕に抱えて帰るのは少し恥ずかしかったから、お店で袋を貰って帰宅。ちょっとハマるかも、とその時考えて朝練が早く終わる日を狙ってみる事にした。
部屋に飾って彼奴の満面の笑みを見たら俺まで満足してしまって、後日また一人で行って来た。
野郎の部屋にこんなにぬいぐるみ置いてどうすんだってくらいには取れてしまって。でも知り合いに会わなくて良かった、店に居る時は何も考えてなかったけど冷静になってみたら山ほどぬいぐるみ抱えて帰るのはやっぱり恥ずかしい。
母さんにやったら喜んで抱えて寝室に持って行ったが、ちょっと呆れてたと言うか…何と言うか、そんなに抱えてどうするの?と笑って言われた。道場に女の子が来たらあげて、とは伝えといたが。
何も考えず、欲も出さずにやると取れるもんだな。
こうやってハマって山ほど増えて行くんだなぁと部屋の隅に置いたそれを眺めてる。
ちょうど腕に収まるくらいの大きさのヤツが取れてクッション代わりになるから、気に入って抱えて撫でてたら彼奴がそれを見てて取り上げられた…欲しかったのかもな。…多分。
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どちらからともなく、抱き締めたり、抱き締めて貰ってたり、毎日そんな過ごし方。
背後から腕を伸ばしてくれる彼奴に甘えて大人しく腕の中に、招かれる儘に脚の間へ収まって。包まれる温もりは特別で、気分が落ち込んでいた時間を忘れさせてくれる優しい温もりと、穏やかな香り。
言葉を口にしなくても互いに手を擦り合わせて自然に指を絡め合い温もりを確かめながら握り返す、彼奴のもう片方の手が其処に重なって存在感が増していく。宙に浮いてしまう片手を彼奴の頬に添えて緩く撫でてやったら穏やかに笑ってくれる彼奴が愛しい。
彼奴の傍に居るようになって、少しだけ甘え方を学んだ、背中に伝わる温もりも、きっと俺だけを抱き締めてくれるであろう腕からも逃げたくなる衝動は少し前になくなった。この事を彼奴に伝えたらどう思うんだろうか。
身体を傾けて僅かに覗く彼奴を確かめたら優しい顔で俺の手に擦り寄ってくる、きっと俺だけが知ってる、彼奴の甘くて優しい表情。
漸く開いた唇から溢れ出すのは甘い言葉。彼奴はいつも俺に同じ言葉を繰り返してくる、癖のある口調で、俺には真似出来ない言葉遣いで、優しくて、俺にだけ紡いでくれる甘くて溶けそうな程の気持ちを贅沢な時間を与えられている。
二人だけの空間に響くのは俺らの甘い言葉と笑い声だけ、時々彼奴の甘い声が耳許に響いて擽ったい、心地良くてずっと聞いていたくなる。もっと聞かせて欲しいと彼奴に気付かれない様に顔を寄せて耳を傾けて擦り寄ったら、甘く触れる唇にもっと、と欲が出て絡めた指先に力が篭る。
真っ直ぐに俺を見つめてくれる芯のある目に惹かれて、緊張と羞恥心から唇が震えて上手く言葉にならない、薄く開いた唇から漏れるのはありきたりな甘い言葉だけ。それでも彼奴は笑って俺の言葉を受け入れてくれる。
他には要らないと、互いに求め合える幸せを強く握った温もりで実感してる。
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離さぬ様に握った指先を絡め合わせて、彼奴の望む言葉を口にする。溢れ出す涙を拭って、もう泣かないで、と宥めながら抱き締めて。
重ねた唇も、甘い吐息も、愛しい温もりも、全部俺のモノ。触れた肌は心地が良くて俺の傍にいるんだ、と改めて実感する。腕の中で俺にしか見せない表情を浮かべる彼奴に独占欲が勝って来て、理性なんて無くしてしまう。
もっと、なんて口にする彼奴に糸が切れて、俺しか見えないくらいに夢中になって触れている。額から汗が滲んでも、拭い取る余裕なんて俺にはない。
二人だけの空間を、響き渡る息遣いと甘い言葉で満たして満足する。それが一番心地が良い。
何回抱いたんだ、彼奴が寝た後に指折り数えてみるが覚えちゃいない。覚えているのは、俺に向けられた甘い言葉と俺だけを見つめる甘くて愛しい目線だけ。
愛してる、離れて行こうとしないで。
もう離したくないとシーツに縫い付けた掌と絡ませた指先から伝わる温もりで懸命に口にする。
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俺日中暇な学生だと思われるよな、これ。
波が激しいのがウチの学校で、春先になるとレギュラーの試験があって、夏くらいから秋に掛けて勉強しないとまた後悔する事になる。
試合がない日はゆっくりするのが俺のモットーでもあるし、気にはしないけど、若干気にはなる。モットーなんて久々に口にした、調べたら座右の銘とかそんな事らしい。
座右の銘?それは言わずもがな、何だが…俺は大器晩成って言葉も好きなんだ。カッコよくねぇか?俺はそうなりたいのがある。
いつか、きっと…と祈ってはいる、あまり言わねぇが。
日記を読み返していて、御前に胸倉掴まれそうな気がする事がある。…俺は御前に何を渡したんだろうな。貰った物は覚えちゃいるが、何を渡したか忘れて来た。俺はそんなにこう言う事に関心がないから、…悪ィ。多分これから先長く付き合って行くと最初に渡した物なんて記憶からなくなるのかな、普通忘れねぇよな、…俺が悪いか。御前に貰った物はちゃんと覚えてるから許して。
それこそ胸倉掴まれるどころか、…喧嘩になりそうだ。
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バレンタイン…だと。誰かから受け取った記憶は、…無い…。素直にありがとうと伝えるのが良いんだと、それくらいは勉強している。
これは返すモノなのか…?返すんだよな、多分。…返しマス、来月。調べるのが得意な彼奴と違って、探すのに苦労しそうだ。流石に携帯触ってる彼奴の隣で一緒に調べる訳にもいかないだろうから。何が良いんだ、好きな物を言ってくれ。頭を抱えながら彼奴の事を考える時間を作る。
当日は二人でとある場所に。行った事あるのか付き合う前に何回か聞いた様な…返事を貰った事はない気がする。人目につくのが得意じゃないけど、この日くらいは、と指先を握ってポケットに引き入れて互いの指を絡めて温もりを共有し合う。
彼奴から貰った小さな箱に自然と頬が緩んだ。小さな箱に込められた溢れてしまいそうな大きな想いを初めて受け取った。きっと何日も前から俺の為にと探してくれたんだろうな、と一つ口に含んで想いを受け止めた。初めて貰った彼奴からの味はずっと忘れないんだと思ってる。
バレンタイン限定の商品なんだろうな、普段食べた事ない中身で金平糖だった様な、…甘くて初めて食べた感覚。来年一緒に過ごす時に去年あげたモノを問い掛けない恋人でいて欲しい、…忘れてたら今日の日記を振り返る事にする。さっきまで忘れないとか言ってるけど、多分俺は忘れてる、…ヤバい。
……そう言う場所に来たからそう言う事をして、チョコも彼奴も美味しく頂きマシタ。風呂入って、はしゃいでる彼奴が可愛くて、我慢とか理性って何なんだろってくらいには夢中になりマシタ。偶に雰囲気変えて抱くと違う場所のせいか、止まらず触れたくなるのはどうしたらいいのか解らない。
お互いに相手を求め合えるのは凄く幸せな事で、俺だけが彼奴を求めても虚しいだけ。彼奴が俺を求めてくれるなら、それに応えてやりたい、それだけ。
1ヶ月前からお互いに予定合わせた約束だったんだけど、偶にはこう言うのも良いかなって思った。
少し、…彼奴に悪い事をしてしまったからそれだけ反省してます。…今年の目標達成出来るか、俺。
幸せな数日間、ありがとう。
ホワイトデーは、頑張ってみます。
また来年、一緒に過ごそうな。
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また来年も一緒に、って笑って過ごせる事を祈ってる。来年は少し大人になって、喧嘩もしなくなってるかな、とか。今年した事を振り返って笑っていられたらきっと幸せだと思う。
今日繋いだ手を離さない様に、大人になってもずっと一緒にいようってガキ同士の約束なんて軽いモノかも知れないけど、お互いに確かめ合えたモノがあるから、きっと傍にいて、一緒に笑ってこれから先も過ごせる。
すれ違う気持ちは今日の内に同じ方向に向くように話し合って、如何しようもなくなったら落ち着くまでお互い何か別の事をして気分落ち着かせてみよう。とは言いながらも、多分お互いに気が気じゃなくて他の事なんてやってらんねぇんだろうな、とは思う。じゃあ喧嘩すんなよ、って話だけど、もしすれ違う事があったら…如何しようか、その時考えるか、どうしたら上手く行くのかいつも考えてるんだぜ、これでも。