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[chococityTOP]真夜中の兵隊 | ミルク
38: 日吉若
2026/01/08(木) 16:25:51


どちらからともなく、抱き締めたり、抱き締めて貰ってたり、毎日そんな過ごし方。

背後から腕を伸ばしてくれる彼奴に甘えて大人しく腕の中に、招かれる儘に脚の間へ収まって。包まれる温もりは特別で、気分が落ち込んでいた時間を忘れさせてくれる優しい温もりと、穏やかな香り。

言葉を口にしなくても互いに手を擦り合わせて自然に指を絡め合い温もりを確かめながら握り返す、彼奴のもう片方の手が其処に重なって存在感が増していく。宙に浮いてしまう片手を彼奴の頬に添えて緩く撫でてやったら穏やかに笑ってくれる彼奴が愛しい。

彼奴の傍に居るようになって、少しだけ甘え方を学んだ、背中に伝わる温もりも、きっと俺だけを抱き締めてくれるであろう腕からも逃げたくなる衝動は少し前になくなった。この事を彼奴に伝えたらどう思うんだろうか。
身体を傾けて僅かに覗く彼奴を確かめたら優しい顔で俺の手に擦り寄ってくる、きっと俺だけが知ってる、彼奴の甘くて優しい表情。

漸く開いた唇から溢れ出すのは甘い言葉。彼奴はいつも俺に同じ言葉を繰り返してくる、癖のある口調で、俺には真似出来ない言葉遣いで、優しくて、俺にだけ紡いでくれる甘くて溶けそうな程の気持ちを贅沢な時間を与えられている。

二人だけの空間に響くのは俺らの甘い言葉と笑い声だけ、時々彼奴の甘い声が耳許に響いて擽ったい、心地良くてずっと聞いていたくなる。もっと聞かせて欲しいと彼奴に気付かれない様に顔を寄せて耳を傾けて擦り寄ったら、甘く触れる唇にもっと、と欲が出て絡めた指先に力が篭る。

真っ直ぐに俺を見つめてくれる芯のある目に惹かれて、緊張と羞恥心から唇が震えて上手く言葉にならない、薄く開いた唇から漏れるのはありきたりな甘い言葉だけ。それでも彼奴は笑って俺の言葉を受け入れてくれる。

他には要らないと、互いに求め合える幸せを強く握った温もりで実感してる。

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