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[chococityTOP]真夜中の兵隊 | ミルク
31: 日吉若
2026/01/08(木) 11:03:45



余計な事を口走った俺が悪くて。大概のすれ違いは俺が余計な事をして、彼奴を傷付ける。傷つけたのに、待ってくれ、なんて手を引いて引き留める勇気は俺にはない。

だってそうだろう、俺が悪いのに引き留めるなんて図々しい事をどうしたら出来るんだ。待ってくれ、行かないで、なんて俺の口からは言えなくて。
出て行こうとする相手の手を掴んで引き寄せて、腕の中に収めたら全てが上手く行くなんて空想の世界だけで成り立つモンだと思っていて、現実的じゃない。
彼奴がそれを望んでいたとしても、拒まれた時の対処法を知らない俺は臆病で伸ばす手を諦めて手元で拳を強く握る。

彼奴に意思を確認して、そうか、と同意するしか出来ない俺は自分を守りたいだけの臆病者なのか、自分からは口に出来ずに別れを告げようとする彼奴を悪者にしたいだけの卑怯者なのか、…どっちなんだ。

お前しかいない、と素直に口にして抱き締める事を一番に望む相手にどうしてそれが出来ないんだろうといつも考える。臆病になる自分を治したい。
何気ない時にいつも甘い言葉を口にする様にしているのに肝心な時に開いた口からは心ない言葉と悪態。…余計に泣かせてしまうのも、分かっているのに肝心な時に俺はいつもそうだ、大人になれない。

沢山の人がいて、ずっと傍にいる恋人達はすれ違う事はないのだろうか。甘い言葉を口にしたり、しなかったり心の面での深い繋がりがある人達が羨ましい。情けのない事だが、俺は大人になれていない。
泣かせてばかりで傷付けて、彼奴の心が疲れてしまう。そんな負担にはなりたくはない。優しい温もりと甘い言葉で彼奴を満たしてやりたいのに、中々上手くいかない事に頭を抱える。


愛してる、お前しかいない。

そんな単純な言葉を肝心な時に口に出来ないのは、何が足りないんだ。いつも思う、足りないモノを自分のモノにして、彼奴を満たしてやりたい。

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