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[chococityTOP]真夜中の兵隊 | ミルク
67: 日吉若
2026/01/13(火) 00:04:21


彼奴との時間はどんな時間も心底満たされてはいるが唯一嫌いな時がある。機嫌を悪くしてしまいそうなくらいにはずっと嫌な時間だった。でも口にするのは躊躇ってしまって、彼奴に嫌な思いをさせたくないだとか、色々すれ違いたくないから笑って頷いて理解のある良い恋人でいたいんだ。

つい最近何故か俺はずっと黙っていたのに嫌な時間を口にしてしまった。何だろうな、今なら言っても喧嘩にはならないか、と俺から離れて行く彼奴の背中に向かって初めて口にしたら、彼奴は笑って振り返って腕を伸ばして来る。

情け無いし、男が言う事か?と自分に問いかけながら伸ばされた腕に素直に落ち着いて理由をぽつりぽつりと口にした。…今この瞬間にそれが理由で別れを告げられたら受け入れるか、なんて冷静になりながらも、どう思われてるか不安で仕方なかったが、口にした言葉は取り消せないし、彼奴の反応を待つしかなかった。待ってる間はものの数分だったのに、俺には何時間にも感じられて腕の中で収まるのが嫌になって来て彼奴を突き飛ばして走って逃げようかと思った。

こんな俺の思考回路とは違って彼奴は優しく笑って可愛いと言う。俺に唯一似合わない形容詞を口にして宥めて来る。彼奴のその言葉はもう口癖の様なモノで抵抗する事も否定する事もないんだが、頷いて喜ぶ事もない。
唯何故かこの時は素直に受け入れて首筋に鼻先を埋めてゆっくり瞼を閉じてみた。彼奴の匂いがして、安心感で満たされながら言った言葉は間違いじゃなかったんだと彼奴の様子を見て理解した。

嫌いだと口にしたら困った顔をして俺に付き合うんじゃないかとか否定的な事ばかりが浮かんでしまうから、言いたい事はあまり言わずに黙ってしまう時がある。
それが結果すれ違いの原因になる事もあって、余計に言い出しにくかったり。
彼奴をもう少し信用してみたら良いんだろうか、言い方が悪いが。信用してないんじゃないんだ、俺が彼奴に対してもう少し寄り掛かって話してみたら良いんだろうな。

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