[chococityTOP]真夜中の兵隊 | ミルク
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日吉若
2026/01/12(月) 23:32:28
連休だからか、ウチの学校の試合を観に来る連中が多い。敵情視察と言うヤツか。…まぁ、9割があの人の所為なんだが。うるさくて仕方ねぇ。このクソ暑い中写真撮ったりずっと試合を観ていたり、他校の制服やら小学生くらいの子供が学校見学に来ていたりと理由は様々で。
…様々で、色んな奴が来てたりする。観客席にボールぶつけてやろうかと思う、写真が本当に嫌だ、映り込んでたら嫌だから言ってやりたいが…。流石にしていない。俺はあまり愛想がいい訳でもないから試合を観られても嬉しくもないし、声を掛けられても手を振られても九割方無視してる。誰に何を言われてもだ。この暑い中人を見る余裕はなくて、自分の試合に集中してた。
「大好きー。」
コートからベンチに下がった時に正面にいた人に言われた。俺に言ったのかと疑問だったけどそこには俺しかいなくて。初めてそんな言葉を言われて返す言葉もなくて、ベンチに座って振り返って見たらやっぱり俺だったらしくて、笑いそうになった。
「大好きー、お兄ちゃん。」
「分かるわー、俺も大好きあの兄ちゃん」
あまりに唐突で、一瞬何を言われたのか解らなかったが、小さな男の子がお母さんらしき人と試合を観に来ていたみたいだった。好きだといきなり言われるとおかしな事言うなって警戒するが、それが小さな子供だと解ると結んでいた口許が思わず緩んでしまってタオルで口許を抑えた。最近覚えた言葉なのか、何が好きなのか。試合が終わって、あの人と二人で歩きながら会話にしてみた。
「大好きって言われました。」
「抱き締めてやったか?」
「してませんよ。」
「抱き締めるのはあかん、抱っこならまぁ…」
9割あの人の所為なんだが、今日は少し癒される様な応援が聞こえて暑いのも耐えられた気がする。
ライバルがピチピチやった。微笑ましいから許したろ。
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