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[chococityTOP]真夜中の兵隊 | ミルク
24: 日吉若
2026/01/07(水) 23:56:21

彼奴がいない部屋は静かで、騒音が悪目立ちする。車やバイクの走行音、近所の小学校の賑やかな声とチャイム。

彼奴が居ると生活音が常に響いて、存在感が増して行く。足音も、コーヒーを淹れる音も、携帯電話を適当に寝台に放り投げて一緒に寝転ぶ乱雑な音も。
彼奴が居ないと呼吸音だけが響いて、騒音で一杯になる部屋は居心地が悪い。嫌な音を掻き消そうと頭まで布団を被って遮った。

飲んだ風邪薬の所為か段々眠たくなって来て、いつの間にか眠りに就ていたら次に目が覚めたときは外は真っ暗で、頭まで被った布団は腕の中。暑かったんだろうな、恐らく。
開けた儘のカーテンが閉まっている事に気付いて彼奴が帰って来た事をぼんやりと理解する。額に貼っていた熱冷ましはすっかり使い物にならなくて、氷の代わりに枕に挟んだ保冷剤も溶けて緩くなっていた。

ドアの開く音と共に現れた彼奴にあんまり俺に近寄って来るなと口にしたくなる。なのに俺は彼奴が近付いて来たら身体が自然と求めていて、思わず腕を伸ばして彼奴の背中に手を添えてシャツを握って安心感を求めてしまった。
熱った俺の身体を撫でる彼奴の優しい手が心地良くて、肩に頬を添えたら深く息を吐いて安心感を得た俺はまた眠くなってきて、緩く瞼を閉じたんだ。

彼奴の穏やかな言葉と温もりが嬉しくてベッドに身体を預けたらその日は素直に彼奴に従って夢の中。
次に目が覚めた時は真夜中で、彼奴の腕の中。
感染したくないし、出来たら離れた方がいい気はしたんだが、……離れろなんて言えなくて思わず胸元に擦り寄った。

昼間の騒音は居心地が悪くて中途半端にしか眠れずにいたが、腕の中から見上げた彼奴の寝息と布の擦れる音は俺に安心感を与えてくれて、その日は素直に胸に額を押し付けて眠りについたと思う。

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