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[chococityTOP]真夜中の兵隊 | ミルク
73: 日吉若
2026/01/13(火) 00:23:45


出会ったのは偶々、偶然で。
合宿所で相部屋の奴だったな、くらいの認識。

いつも一人でいて、自分の世界観だけで過ごしてる奴。周りの賑やかな環境に溶け込んでいても、流されずに自分の事を淡々とするイメージの、そんな奴。話したいと言われた時は予想外過ぎて、話す相手間違ってんじゃねぇか、と首を傾げながら肩を叩いてみた。

振り返る相手を至近で見たのはこれが初めてで、整った顔立ちと少し強気な目許、背丈も似たような体格で。目線は同じ高さにあったのを覚えている。相部屋の連中との会話だけを聞いていたら何かしら気怠そうにしていた印象があったが、話しかけた時は些か嬉しそうにしていたような気もする、気のせいだったかもしれないが。

少し話してみたら立場も考え方も似た境遇。思考が同じだと少し安心するのは何故なのか、俺には心地がいいと思えたからなのか。気が合いそうだ、と思いきや俺等は出会った当時からすれ違いが多くて、何が原因か解らなかったり解っていたとしてもどちらも意地を張り過ぎて収拾がつかない。
それに冷静に見える彼奴の方が血の気多いのと、…何だろうな、嫉妬の様な…俺には解らない感情。だからすれ違って気持ちを理解する事が出来ずにいた。彼奴も彼奴でどうしたらいいかを悩んで辛かったんだろうと思ったりもする。

暫く話して、この先どうしようかと考えた時に、彼奴から好意を伝えられて。今思うと言い方も雰囲気もスゲェ攻撃的で、…彼奴らしくていいんだが、甘い雰囲気なんてあったもんじゃなかった。まぁ、そう言う雰囲気なんてモノを俺は求めていないからいいんだけど、胸倉掴んで言うんじゃねぇかってくらいには強烈な愛の告白ってヤツだった。

あまり誰かとこう言う付き合いをした事がないから、何て返事をすれば良いのか解らない。解らないのと、……何だろう、色々気持ちが溢れて来て。
彼奴からの気持ちは嫌な理由も見つからず、だからと言って傍に居ていいのか俺で大丈夫なのかとか普段考える事のない感情が表れて伸ばされた手を握り返すのに少し時間がかかったけど、あの時肩を叩いた指先で今はしっかりと互いに指を絡めて過ごしている。

最近はすれ違う事もなくなって、毎日穏やかな日を過ごしてる。何がきっかけかお互いに解らない、けど最近は二人で過ごせる日には時間を共有して隣同士で眠ってる。
後はいつも感謝の気持ちだけ伝えて素直に頷く様には努力している、彼奴に言われた事を忘れずに俺なりに彼奴の為に。これから先も、許される限り傍に居たいと願っている。

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