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[chococityTOP]真夜中の兵隊 | ミルク
22: 日吉若
2026/01/07(水) 23:29:44


風邪は引いても熱が出ない奴だったのに、体質が変わったのか、熱が出た。

彼奴に移す訳にもいかないから、ソファで寝ようとか黙っていようかとか迷惑かけずに済む方法を考えてたら一日が経っていて、彼奴の帰宅時間。
咳と鼻声で、気付かない訳もなく心配掛けてんのにほっとけって突き放して。素直に口にしたら彼奴は多分普段以上に優しく触れてくれるんだろうなって思ったりもしたが、彼奴の言葉を払い除けて背中を向けた。

彼奴は俺の姿を見て突き放すどころか、優しく手を差し出してくれる。この優しい手を払い除けたら、修正出来なくなるだろうなとか色々考えて、本当いい加減にこう言う時くらいはちゃんと素直にしていた方が良いんじゃないか、と……素直に彼奴の手を取った。今までで一番甘えた日じゃなかっただろうかってくらいにはベタベタに。ドン引きされるくらいには。

帰宅したばかりの冷えた手を肌に添えて貰ったらその日は冷えた指先が気持ち良くて擦り寄った。心配そうにする彼奴の表情が眠気と薬の所為で霞んでいて、よく解らなかった。唯声だけが耳元に甘く響いて帰って来てくれたんだと安心して、またいつの間にか眠りに就いていた。

偶にはこう言うのもアリかもなぁ、と素直になる事に開き直れば思うけど、俺の性格からして遠慮がちになるから嬉しい反面申し訳ないと考える。でも今回は素直にして良かったのかもな、と彼奴の優しい表情を眺めながら腕の中でアイスを口にした。
美味いかと覗き込んで来る彼奴に目線を上げて頷いて、口に咥えたスプーンを渡す訳にはいかないから、アイスも彼奴も独り占め、濃厚な甘さが口一杯に広がるのと心底満たしてくれる幸福感があった。

近寄るのは良い事ではないんだろうけど、普段彼奴がどれだけ俺の為に動いてくれているのか、が伝わって来て反省したり、感謝したり、してもしきれないくらいには感じてる。

素直に彼奴の腕に収まる事がどれだけ幸せなのか実感した気がする。…、ありがとう。

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